小児予防矯正治療について
子ども達の約8割が歯列不正という時代となっています。小さくなった上顎の影響は、そこに並ぶ歯のスペース不足だけではなく、上顎骨は鼻腔底を構成するために鼻腔容積の縮小を招きます。この鼻腔容積の縮小は様々な全身の発育に影響を及ぼしています。
口呼吸(お口ポカン)や猫背姿勢、アトピーやアレルギー性鼻炎、集中力の低下や落ち着きがないなど、子どもらしいハキがない、など多くの弊害があります。脳や身体の成長が真っ只中である子ども達にとって、呼吸・睡眠を整え健康な発育を導いてあげる事はとても大切となります。健康な成長発育は親からの一生の贈り物です。ご興味がある方は是非一度ご相談ください。
小児予防矯正の流れ
矯正分析
- a.全体レントゲン検査
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2次元の全体的なレントゲン写真を撮影します。永久歯の本数、先天欠如や過剰歯など年齢に適した準備や異常がないかを全体的に把握します。
- b.矯正レントゲン検査
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矯正用の2次元の規格レントゲン検査です。現時点での骨格的成長の平均値とのズレを数値分析します。
- c.気道3D評価
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鼻腔底を構成する上顎骨の劣成長は鼻腔容積の縮小による鼻閉を招きます。口呼吸は低舌位となり舌根沈下による気道閉塞を招きます。現時点での鼻腔と気道を3次元で評価します。
- d.口腔内3Dスキャン検査
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3Dスキャナーにて口腔内をスキャンします。これにより噛み合わせや3D虫歯検査まで様々な情報が得られます。
- e.口腔内写真検査
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いまの噛み合わせや歯肉の状態を写真で記録します。規格写真により経過が比較・評価ができます。
- f.姿勢写真検査
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方眼用紙の前で姿勢の写真を撮ります。頭の位置や左右の肩の位置、全身の成長が健康に、正しい成長方向に向かっているのか評価ができます。
- g.動画検査
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お話ししている動画や水を飲む動画を撮ります。歯並びへの影響は意識した癖より、無意識で行う会話や一日数千回行う唾液の嚥下が大きく影響を及ぼします。
オリジナルプログラム立案
分析結果のお伝えと、その子に合った矯正オリジナルプログラムを作成します。
これは分析結果のみではなく、ご家族の希望やお子さんの性格、家庭のライフスタイルにより使用器具やトレーニング内容、期間が大きく異なります。
当院では以下の矯正方法が全て可能なため、その子に合わせてオリジナルに組み合わせる事が可能です
- a.筋機能トレーニング(MFT)
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当院にはエデュケーターという小児筋機能トレーニング専門のトレーナーが常駐しており、呼吸・嚥下を中心に口腔周囲や舌のトレーニングを行います。
デメリット
お家でのトレーニングが正しい時間と方法で行わなければ効果は期待できませんので子どものやる気と親御様の協力が必要です。 - b.着脱式トレーニング装置
(プレオルソ、マイオブレース) -
トレーナーと呼ばれる装置は口腔内に入れることで舌のポジションが正しい位置に誘導されます。多少の噛み合わせの誘導も行います。
※このトレーナーを入れるだけでは意味が薄く、筋機能トレーニングと組み合わせます。
デメリット
トレーナー装置であり、装着するだけでは効果は期待できません。MFT(筋機能トレーニング)が併用必須となります。 - c.固定式拡大装置
(ハイラックス型、ファン型) -
上顎の成長が終わる10歳までは顎骨の成長をサポートすることが可能です。顎骨への作用を求めるため固定式の装置になりますが、後の抜歯矯正の可能性をほぼ無くすとともに鼻腔底が成長することで鼻腔容積を整えます。
デメリット
固定式装置となるため約3−4ヶ月間は発音や嚥下の違和感、汚れが溜まりやすい状態となります。 - d.固定式ワイヤー装置
(マルチブラケット) -
上顎の成長が終わる10歳を過ぎると、顎骨への成長サポートが厳しくなるため歯列矯正となります。ワイヤーを利用する歯列矯正で、成人矯正と同様のマルチブラケット装置を使用します。
デメリット
24時間365日以上の装着となり、食生活やセルフケアを頑張らないと装置の周りに多くの虫歯を作るリスクがあります。 - e.着脱式マウスピース装置
(インビザライン) -
上顎の成長が終わる10歳を過ぎると、顎骨への成長サポートが厳しくなるため歯列矯正となります。マウスピースを利用する歯列矯正で、成人矯正と同様のインビザラインを使用します。
デメリット
装着時間を守らなけれ予定通りの歯の移動は実現しません。
費用
標準【筋機能トレーニング(MFT)+固定式拡大装置】 | 605,000円(税込) |
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筋機能トレーニング(MFT) | 385,000円(税込) |
着脱式トレーニング装置(装置代) | 22,000円(税込) |
固定式拡大装置 | 385,000円(税込) |
固定式ワイヤー装置(マルチブラケット) | 550,000円〜1,100,000円(税込) ※治療期間は約2年間、治療回数は 約24回(調整料無料) |
着脱式マウスピース装置(インビザライン) | 550,000円〜1,100,000円(税込) ※治療期間は約2年間、治療回数は 約24回(調整料無料) |
小児矯正に関するよくある質問
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永久歯の歯並びはどの程度キレイになるの?
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昔からよくある一期治療、二期治療の矯正と何が違うの?
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小児矯正は費用が高額だと聞きました。
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日常生活に支障は?
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通院のペースは?
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小児矯正は痛みますか?
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後戻りや固定の必要は?
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小児矯正のデメリットはありますか?
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小児矯正は誰でも受けられますか?
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矯正中に引越しになった場合は転院できますか?
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固定性の装置と着脱式の装置の違いはなんですか?
健康な成長発育は親からの一生の贈り物です。興味がある方は是非一度ご相談ください。